かほく入門

河北町ってどんなところ?

河北町は山形県の玄関口
河北町は山形県のほぼ中央部に位置する人口一万八千人ほどの町です。町内には南北に最上川が流れ、清流寒河江川にも囲まれた豊かな土壌を持ちます。このことから比較的早くから水田開発がなされ、特に江戸時代から明治初期にかけて、お米と紅花産業を中心として町が発展しました。現在は、山形空港や新幹線さくらんぼ東根駅、東北中央自動車道東根ICなど主要な交通網 が町から十五分以内の距離にあり、山形県の玄関口として多くの方をお迎えしています。

河北町を語るには、紅花産業と稲作から
今でこそ紅花産業で栄えることの想像がつきづらいかもしれませんが、当時紅花は貴重な染料でした。当時国内では、奥州福島、奥州仙台、奥州三春、西国肥後、尾張、遠江、 相模などの地域でも栽培がなされていた記録がありますが、河北町をはじめとした山形県では最上川舟運を通じて商人が活躍。江戸時代に地方の特産物を相撲に見立てた「諸国産 物見立相撲」では東方の大関に次ぐ関脇として、「出羽 最上紅花」と書かれるほどの特産品だったと言います。(※)
(※おいしい山形推進機構事務局「おいしい山形 山形県の紅花栽培の歴史と現状」参照)

紅花を通じた繁栄は、華やかな上方文化を河北町にもたらしただけでなく、地区ごとに特色のあるお祭り『谷地どんがまつり』のきっかけをつくるなど今日の河北町の暮らしにつながる様々なモノコトの基盤を創り上げました。紅花栽培自体は海外からの輸入品の増加やその他染料の発達により規模が小さくなりましたが、河北町にとっては、今の河北町を語る上でかかせない産業なのです。早くから水田開発と稲作が行われた河北町では、お米がたくさん収穫できるのはもちろんのこと、昔は農閑期に稲ワラでの草履生産をしていました。それが現在では「スリッパ 生産量日本一」につながり、国内だけではなく海外のお客様からも愛される逸品となっています。また豊かな水田と清流寒河江川は美味しい日本酒の生産にもつながっています。河北町を語るには紅花産業と稲作から。その理由に少し合点がいったでしょうか。

豊かな土壌と歴史文化は、
豊かな生産者も育てる
紅花の栽培には寒暖差の激しい気候が適しているとされており、河北町は遠くに眺める月山、朝日岳、蔵王に囲まれた盆地特有の内陸性気候がこれに当てはまったと言えます。現在でも河北町は寒暖差が激しい気候特徴とともに、雄大な山から流れる伏流水や、清流 寒河江川が育む肥沃な土壌を生かした産業が多く営まれています。さくらんぼの生産量は町村単位では日本一(!)ですし、豊かな伏流水から自慢のシャインマスカットや桃などの果物が実ります。また、寒冷な気候と緯度がイタリア野菜の本場であるトレヴィーゾと一致し六十品目を超えるイタリア野菜の生育にもつながっています。また二百年以上歴史を持つ老舗の酒造や麹屋が残り、幻の山形牛「千日和牛」を作り出しました。早くから行われた水田開発により稲ワラで紡いだ草履生産は今やスリッパの生産量日本一に。紅花も新たなクリエイターの手によって美しい小物に生かされています。まだまだ、町内では河北町の風土、歴史文化を生かした生産物を生み出そうとするエネルギーに溢れています。それもこれも、そこにある気候風土や歴史文化に驕らず、より良いものを作ろうと変態的なほどにモノづくりにこだわる生産者がいるからこそ。豊かな土壌と歴史文化は、豊かな生産者も育てるのです。

四季に彩られる河北町へお越しください 
河北町にお越しいただければ、春夏には広い青空の下に輝く緑の水田や果物や野菜が実 る畑や、遠方に青く見える雄大な山々を眺めることができます。秋には黄金色の稲と少し 高くなった空、冬にはキンと冷えた空気の中、白銀の大地と真っ青な空のコントラストと それを映しながら流れるキラキラとした最上川をご覧いただくことができるでしょう。他にも毎日どこに行こうか悩めるほど沢山ある河北町民のソウルフード冷たい肉そばの お店、とれたてのお野菜や果物、都会でも滅多に見ることができない品揃えの日本酒や自 然派ワイン、千日和牛が食べられる焼肉屋さんなど・・。五感も、お腹も、気持ちも満たされる素晴らしい旅になるはずです。